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4/7 柳家小三治独演会(日野) 見聞録
2008年04月09日 (水) | 編集 |
柳家小三治 独演会
  4/6(日) 14:00~ 於)日野市民会館

柳家ろべえ:「片棒」
柳家小三治:「厩(うまや)火事」「付き馬」

柳家ろべえは2つ目の噺家で、柳家喜多八の弟子。名前の由来は師匠の喜多さんと組んで弥次さんとしたいところですが、まだ半人前なのでヤジロベエから弥次を取って「ろべえ」なのだそうです。

片棒」はケチな赤西屋の大旦那が、自分の弔いのことが気になり、3人の息子に「どのような弔いを出してくれるか」をたずねるお話。今回は長男、次男と話を聞いたところでオチをつけました。長男の提案は大盤振る舞いの弔い、次男はとことん派手で賑やかな弔いを提案します。旦那・長男・次男の演じ分けも明確にできていましたし、弔いの内容を威勢よくリズミカルに説明する部分も澱みがなく良いと思いました。驚き方など心情面の表現が少し不自然だったのが残念。

小三治師匠の噺はマクラが長いのでも有名です。過去にも40~50分くらいの(大演題)マクラを何度か聞いたことがあります。ただその場合、落語本題の方は10分程度で収まる噺になってしまいます。小三治師匠のマクラは、教訓あり、幅広い知識あり、独特の視点からの世評・諷刺・ユーモアありで、なかなか他では聞けないオリジナルなものです。毎回違うマクラを演ってくれるので、見に行くたびに必ず楽しませてくれます。小三治師匠のマクラだけを集めた文庫本が出ているくらいです。
 古典落語の大ネタもぜひ聞きたい、そして、オリジナルマクラもたっぷり聞きたいという2つの相矛盾する願望がファン心理としてあります。古典落語の演者としても当代ナンバーワンですので、そちらもじっくり聞いてみたいわけです。 今回の独演会では30~40分ほどの古典落語が2題。マクラは少し短めで30分くらいでした。最近行った中では、本題が最も長く聞ける配分でした。

 「厩火事」:マクラでは、男女・夫婦の縁は不思議というネタ、神前結婚のときの神主は偽物じゃないの?という内容で、特に後者のネタは笑い転げてしまいました。さて、本題の方。典型的な髪結いの女房であるお崎は、亭主に愛想をつかし仲人に相談しに行く。仲人は、亭主の大事な瀬戸物をわざと割り、お崎さんを心配するか、瀬戸物を心配するか、亭主がどちらの反応をするか試してみなさいと提案するお話。亭主は結果お崎の方を心配する。お崎は感動するが、下がオチ。

お崎:「そんなにあたしのことが大事かい?」
亭主: 「当たり前だ、お前が指でも怪我したら明日から遊んでて酒が呑めねえ」

 お崎さんのそそっかしいキャラクターが面白く演じられていましたし、蘊蓄をたれる仲人の説明も説得力があって興味深く聞けました。お崎が亭主の悪口をまくしたてた後、仲人も追随すると、今度はお崎が亭主をかばいはじめます。滑稽とも言える微妙な夫婦心理のあやの部分の表現は秀逸で、ついつい苦笑してしまいました。

 「付き馬」:早桶とは・・と始まるマクラで「ひょっとしたら付き馬か?」と思いました。お弔いの桶の説明は、本題の内容を理解しやすくする配慮ですね。要領よくポイントを押さえた解説は非常に親切です。ただ、さすがにマクラはあっさりとは流しません。小三治師匠の父は学校の先生で、息子にも非常に厳しかったそうです。「とにかく一生懸命頑張れ、そうすればこの世で芽が出なくても、来世できっと報われる」と言われ続けてきました。その言葉を信じて噺家になってもとにかく一生懸命頑張ってきたのだそうです。ところがあるとき小三治師匠は悟ったのだそうです。「来世で報われなくても、この世で楽しい方がよい」と。それからは気ままに人生を歩んでいるとのことでした。破天荒な部分と生真面目な部分とが同居する不思議キャラらしい小三治師匠の逸話ですね。
 付き馬とは、吉原での遊興費が払えないお客についてくる借金取りのことです。この噺は、要所を丁寧に演じないと焦点がぼけた噺になってしまいます。まずお金がないのに遊んでしまう経緯、早桶屋をおじさんと勘違いさせてしまうトリックなどの部分は、何のことかわからない場合が多いです。あまり掘り下げても特に面白くない部分、吉原の遊興、早桶屋に行く前にさらに付き馬を連れて遊び歩く部分などは、要所だけを押さえていたので間延びせず、早桶屋と主人公、早桶屋と付き馬との会話をクローズアップして聴かせどころをつくっていたのは、さすがに名人芸!
 主人公が早桶屋のことをやたらと「おじさん、おじさん」と大声で連呼して、付き馬を勘違いさせる演出。付き馬が「何で他人なのにおじさんと呼んだの?」という疑問を解説する部分は、特に印象深く楽しめました。一番面白かったのは、付き馬に「大一番小判型」の桶をかついで帰らせる部分。体に縄で桶を無理やりにしばりつけられ、「えっ、こんなに人がいたの?」と。

 蛇足。古今亭志ん朝の「寝耳に水」的な急逝の際、当方猛烈に後悔しました。「もっと足しげく通っておけばよかったのに。もっともっと見たかったのに。」と。だから、柳家小三治はとことん追いかけます。行ったら行っただけ心の財産になる、そんな当代随一の名人です。

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