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ショスタコーヴィチ 交響曲第5番に隠されたメッセージ
2008年07月08日 (火) | 編集 |
NHK教育 知るを楽しむ この人この世界 8回放映
「悲劇のロシア ドストエフスキーからショスタコーヴィチまで」 亀山郁夫

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 前半4回はドストエフスキーの描いた人間の傲慢さをテーマに、後半4回は、スターリン独裁時代と4人の芸術家の関わり方を取り上げています。4人の芸術家とは、マヤコフスキー(詩人)、ブルガノフ(作家)、エイゼンシテイン(映画監督)、ショスタコーヴィッチ(作曲家)の4人です。
 
 ここでは、ショスタコーヴィチを取り上げて、自分なりに紹介してみます。
 30年続いたスターリン時代は、大粛清と呼ばれる反対派に対する弾圧が行われ、ロシアで芸術家として生業を立てるためには、独裁政治に表面上屈服し、革命を礼賛する方向性を余儀なくされていました。ショスタコーヴィチは、オペラ「ムツェンスク群のマクベス夫人」が上演禁止となり、「人民の敵」との烙印が押され、起死回生を期して発表した交響曲第5番により名誉を回復します。

 【交響曲第5番「革命」は、革命礼賛の音楽か?】
 ショスタコーヴィチは、権力に心から服従・屈伏していたのでしょうか。
 実は、そうではないようなのです。

 ビゼー作曲「カルメン」より「ハバネラ」を聴いてみてください。
 カルメンが歌う中、挿入的に周囲がコーラスで”Prends garde a toi!”(危ないよ/信じるな)と何度か叫びます。(ADEF=ラレミファ)というフレーズです。


 ショスタコーヴィチの交響曲第5番第4楽章では、冒頭でまず提示され、クライマックス部でもたびたび繰り返される、(ADEF#)のフレーズは、カルメンのハバネラの「危ないよ」のフレーズ(ADEF=ラレミファ)を土台にしたものと考えられます。
 しかも、4楽章終末部では、A(ラ)の音が252回繰り返されます。亀山説によれば、Aはロシア語で(私)を意味する言葉だと解されますし、ショスタコーヴィチ本人もインタビューで「Aの音は私だ」と力強く答えているそうです。

 お急ぎでなければ、ショスタコーヴィチ第5番第4楽章終末部の演奏をお聞きください。
 1つ目は冒頭で(ADEF#)のフレーズが出てきますので、それだけ聴いたら、2つ目にどうぞ。
 ララララ・・と続く中(ADEF#)が繰り返されて終局へと向かいます。
 (パーヴォ・ヤルヴィ指揮 NHK交響楽団)





 つまり、A(ラ)の音の繰り返し=「私」  (ADEF#)=「信じない」
 「私は、革命(現政権)を信じない」というメッセージなのです。
 心まで腐ってはいないんだぞという芸術家の魂・矜持が、悲痛な叫びとして聴こえてきます。

 別の解釈として、「愛の音楽」とみる説もあるそうです。当時ショスタコーヴィチが恋した女性リーリャ(ロシア語で「リャ」は「ラ」を表す)に対するラ音の252回の繰り返し。さらに、リーリャは映画監督R・カルメンと結婚したのだそうです。そんなことから、ショスタコーヴィチの愛の叫びともとることができます。
 いずれにせよ、革命賛歌という表面を持ちつつも、「そんなことチャンチャラ可笑しいわい」とばかりに、愛の訴えをしているとしたら、それも本心からの屈伏・服従とは程遠いということになりそうです。

 今回は5番についてのみ取り上げましたが、ショスタコーヴィチには交響曲7番・10番などにも権力批判をこめた「二枚舌」的な解釈ができる要素が多々あるそうです。それらについても、機会があったら紹介してみたいと思います。

 今年はショスタコ5番は、読響の演奏で聴きました(記事はこちら)。私にとっても思い入れの大きいこの曲。名盤と言ったら、ロジェストヴェンスキーとスヴェトラーノフとかでしょうか。選定できるほどにはまだいたってません。勉強不足です(^^ゞ 上のN響も快演ですね。歓声に応えるコンマス堀正文氏を始め、皆がいつになく満足そうな表情です。
 
 ショスタコーヴィチの第5番は、略して「タコ5」ということもあります。「ツウですな~」ってほんまかいなε=(/*~▽)/

 全くの余談ですが、当方高校時代に吹奏楽部でクラリネットをやっておりまして、この5番の4楽章を演奏したことがありましたね。入部したきっかけは、ステージ上でみた先輩にあこがれて・・という不純な動機。でもオネエタマは3年生だったのでコンクールのときに会ったくらいで、言葉もひとことふたこと交わしたくらいでした(号泣)。「意味ねぇじゃん!」(激汗)
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