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原信夫とシャープ&フラッツ ファイナルコンサート
2008年11月03日 (月) | 編集 |
原信夫とシャープ&フラッツ
ファイナルコンサート2008-9
 

11/2(日) 17:00開演 於:東京文化会館

《曲 目》
1. A列車で行こう 2. Blues On Parade
3. One O'Clock Jump 4. Artistry In Rhythm 
5. The Midnight Sun Will Never Set 6. すみ絵
7. West SIde Story Medley 8. That's A Plenty
9. りんごの木の下で 10. 梅ヶ枝の手水鉢
11. 真赤な太陽 12. 古都 13. 帰れソレントへ
14. 恋のアランフェス 15. Sing Sing Sing
≪アンコール≫It's A Small World Blue Flame


《記事のダイジェスト》長文なので、せめてこちらだけでもお読みください。
 半世紀以上にわたり、日本一のビッグバンドを率いてきた原信夫さんもついに引退されることになってしまいました。コンサートではかつての名演を再現するなど、華麗で統制のとれたアンサンブルと、個々の個性あふれるソロにただただ感動しました。引退・解散時には衰えや翳りが垣間見えるものですが、シャープ&フラッツの場合は全然違いましたね。「え~っ、このまま辞めちゃうの?」ってくらい本当にもったいないです。正直言って、解散間際のこの時期に、元来ハイレベルなこのバンドがさらなる高みにあったということに、眼をむき驚愕してしまいました。本当に残念です。
 ファイナルコンサートは来年まで続きます。もし興味がおありの方は、迷ってないで絶対にこのバンドの雄姿を見ておくべきです。一生の思い出になるはず!


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【ファイナル・コンサート】
 1951年に結成され、日本のビッグバンドの最高峰に君臨し続けた「原信夫とシャープ&フラッツ」。原さんも既に82歳になり、コンサート中にも「寄る年波には勝てず」とおっしゃっていました。
 管楽器を志す人なら誰もが、クラシックならプロオケ、軽音楽ならビッグバンドに入ることを夢見るでしょう。そのビッグバンドの最高峰が「シャープ&フラッツ」であったわけです。もちろんそんな最難関のバンドだけに、メンバーは選りすぐりの精鋭メンバーが揃っています。
《メンバー》(詳細はこちらにも)
  原信夫,佐藤達哉(ts),猪目慎一,大山日出男(as),森川信幸(bs)
  数原晋,マイク・プライス,菊地成浩,佐久間勲(tp)
  片岡雄三,佐藤俊次,橋本佳明,堂本雅樹(tb)
  岩見淳三(g),西直樹(p),佐瀬正(b),稲垣貴庸(ds)

 テナーの佐藤達哉氏は、バンドリーダー原信夫さんを脇で支えるナンバー2的な役割なんでしょうね。随所に締まった貫禄のソロを聴かせてくれて、堂々たる存在感です。
 個人的には、アルトの2人には完全に白旗宣言です。何てすごいんでしょう。大山日出男氏はジャッキー・マクリーン風の泣きの入ったソロから、リッチー・コール風のバリバリ溌剌としたソロフレーズまで何でもお手のものでした。かといって、アルトのスタイルは誰の模倣でもないオリジナルなものなんですよね。なおかつクラリネットでも情感あふれるスィングスタイルのソロを聴かせてくれました。
 同じくアルトの猪目慎一氏は、ソプラノサックスに持ち替えての「古都」での日本の美を醸し出すソロを熱演しました。他にも秋吉敏子の「すみ絵」ではフルート、ピッコロに持ち替えたり、本当に多芸ですよね。
 トランペットセクションは、どの人が一番とか言えないくらい皆さん素晴らしかったのですが、個人的には数原晋氏の輝かしい華やかなソロが好きでしたね。マイク・プライスも実に味わい深い迫力のあるソロを聴かせてくれます。数原氏は、東京ユニオン、ニューハードと名門ビッグバンドでも活躍した経歴があり、間違いなく日本トランペット界の第一人者ですね。
 トロンボーンセクションも、もちろん皆さんレベルはすごいものなんですが、心を激しく打たれたのは片岡雄三氏の熱いソロ。堂本雅樹氏のチューバに持ち替えてのソロも、非常に秀逸でした。
 在籍歴が最も長いのが、バリトンサックスの森川信幸氏。1960年以来のメンバーです。バリトンというと、ジェリー・マリガン風の豪快な演奏を想像しますが、非常に端正できめ細かいフレーズを繰り出しますね。

【演奏曲目】
 原信夫氏が大好きなバンドとして、デューク・エリントン「A列車で行こう」、ウディー・ハーマン「Blues On Parade」、カウント・ベイシー「ワン・オクロック・ジャンプ」、スタン・ケントン「Artistry In Rhythm」の4曲を取り上げていました。「Artistry In Rhythm」は、スタン・ケントンがシューベルトの「未完成」を聴いて作曲した曲だと紹介されていました。
 「The Midnight Sun Will Never Set」は交流のあるクインシー・ジョーンズに提供された楽曲で、「すみ絵」は日本古来の旋律をモチーフにした楽曲で、秋吉敏子の提供作品です。「That's A Plenty」「Sing Sing Sing」はベニー・グッドマンでおなじみの曲ですね。
 「梅ヶ枝の手水鉢」は、江戸時代に流行した俗曲をジャズにアレンジしたもの、「古都」は原信夫作の楽曲で、この2曲はシャープ&フラッツがニューポート・ジャズ・フェスティバルの晴れ舞台で演奏した思い出の楽曲だったのだそうです。
 イタリアの「帰れソレントへ」、スペインの「恋のアランフェス」と音楽旅行が続いた後で、締めくくりはベニー・グッドマンの「Sing Sing Sing」。圧倒的な迫力に胸熱くしました。また、「恋のアランフェス」での数原氏のトランペットソロは、まさに至上の名演でしたね。 
 
【ビッグ・バンドの魅力】
 ミーハー的な興味で言えば、ビッグバンドってホントかっこいいです。各人が舞台前のマイクに順番に出てきてソロを奏でた後、軽く頭を下げて退出していきます。そして、ソロが終わった後観客はソリストに拍手します。そこでのソリストの一連の動作が実にかっこいいんですよね。颯爽と定位置から立ち上がって、舞台前に来るとおもむろにソロを奏で始めます。そして、ソロが終わって次のソリストがマイク前に立つまでの間は、バンド全体でアンサンブルを奏でます(この間奏をブリッジって言うんですよね)、それがまた次のソロへの期待感をあおるようなもので実にすばらしいんですよ。そしてまた、ソリストによる演奏時にも、ブラスセクションがメリハリをつけるためにハイトーンでバックアップするんです。わかりやすく言えばムード歌謡でコーラスが「わわわわ~♪」って歌うようなイメージが多少近いでしょうか(^_^;)。
 ビッグバンドでのアンサンブルの魅力は、ブラスセクションの役割が大きいですが、それ以上にアルト・テナー・バリトンのサックス群が大きいと思っています。ですから、デビット・マシューズ率いるMJOではサックス群が薄いので当方にとっては満点のバンドではありません。サックス群が厚いバンドが好みなので、秋吉敏子・ルータバキンビッグバンド東京ユニオン三木敏悟とインナー・ギャラクシー・オーケストラ、そしてシャープ&フラッツは、当方にとっては大満足の演奏スタイルなのです。

【日本のビッグバンド】
 日本では、原信夫とシャープ&フラッツのほか、宮間利之とニューハードも半世紀を超える歴史をもった超名門ビッグバンドです。ニューハードの近況がはっきりわからないので、残念に思っています。
 また、高橋達也と東京ユニオンは、ジャズ史に燦然と輝くビッグバンドでしたね。当方、三木敏悟作編曲の「北欧組曲(廃盤)」は歴史的名盤だと信じています。高橋氏死去後は解散してしまいましたね。高橋達也氏のうねるようなテナーソロも絶品でした。
 スイングジャーナル誌読者人気投票一覧(ビッグバンド部門)は、こちらに記事があります。
 こちらを見て頂いても分かる通り、日本のビッグバンドというのは激烈な競争もあり、質・レベルともに非常に高く、アメリカのビッグバンドに決して引けを取らなかったんですよね。ビッグバンドは日本文化の1つといってもよいと思います。
 アメリカでビッグバンドが衰退しても、日本では独自の歴史を刻んでいたわけです。ジャズ人気が下火になって久しい不遇の時代の中にあって、独自のスタイルを曲げず、高いレベルを維持しながら健在であったというシャープ&フラッツに絶大なる賞賛を贈りたいと思います。

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 このシャープ&フラッツのシンボルマークもみられなくなるんですね!

【最後に】
 来年3月の厚生年金でのコンサートがラスト・ステージとなる予定です。チームワークも抜群で、メンバーの笑顔がこぼれる最高のビッグバンドは、まだあと数回見るチャンスがあります(詳細はこちら)。ファンの方、ビッグバンドやジャズを愛する方はぜひ足を運んで、最後の晴れ舞台を大いに満喫しましょう。
 原信夫氏の多大な功績に脱帽。お疲れ様でした!そして、メンバーの方々の未来が、さらに今の何十倍も輝くものでありますように!
 
「A列車で行こう」の動画をご覧ください。
ベストテイクではないと思いますが、雰囲気は味わえると思います。
ソロがバトンタッチしていく様子などにご注目ください。



当方よりも年齢層が高く、みなさん紳士淑女という風情の方が多かったコンサートでした。
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