



2014年05月21日 (水) | 編集 |
らくご街道 雲助五拾三次
吉例 髪結新三
■ 5/20(火)19:00 日本橋劇場
五街道 雲助 発端 紀伊国屋文左衛門
序幕 第壱場 白子屋見世先/ 第弐場 永代橋川端
柳家 小里ん 弐幕 第壱場 富吉町新三内
第弐場 家主長兵衛内
第参場 元の新三内
茶番 大詰 深川閻魔堂
【らくご街道五拾三次】
2013年4月から始まった五街道雲助師匠の月例独演会。日本橋を出発したこの落語会は、今回14回目を迎えました。当方、雲助師匠の追っかけをやっておりますが、この落語会は1回欠席の13回出席中。
昨年の5月にも行われた同じ演目「髪結新三」が、今回は小里ん師匠の助太刀で得て演じられました。雲助師匠、小里ん師匠とも同年齢で、ともに無類の芝居好き。
歌舞伎の演目でもしばしば取り上げられる髪結新三を前半を雲助師匠、後半を小里ん師匠が演じました。
前半は、小悪党新三が、通い先の娘お熊をかどわかす場面。後半は、弥太五郎親分、続いて家主長兵衛と新三との丁々発止のやり取り。そして最後には芝居仕立てで弥太五郎親分が、新三に斬りかかり、ついに本懐を遂げる。
小悪党の新三が強がったり、啖呵を切ったりして、弥太五郎親分には屈しませんが、百戦錬磨の狸爺的な家主長兵衛には見事に一本取られてたじたじです。そんな痛快さをもつ噺です。
最後の茶番は、両師匠とも殺陣がかっこよく決まっていました。小里ん師匠の弟子なども入り乱れて、爆笑の嵐でした。笑い声が大きすぎてよく聞き取れなかったところもありました。撮影していたようなので、DVD化されないですかね(爆)
【圓生を聴いて】
もう1度、圓生百席「髪結新三」で聴き直してみました。圓生師匠の話術とテンポの良さはやはり格段に素晴らしいですね。すごむ新三の迫力、弥太五郎親分、家主長兵衛らの人物像が見事に浮き彫りにされ、後半固唾を呑んで聞き惚れるなかで、見事なまでにテンポよく一気呵成にたたみこみます。柳家小三治、古今亭志ん朝らの大名人も大好きですが、圓生の計算され尽くした理詰めの話法は、落語のバイブルとして今後も生かし続けていかなければならない大遺産だと思います。演目によっては、後続の噺家たちが独自のオリジナリティーを発揮して、圓生に肉迫し、それを超えるレベルのものもたくさんみられます。たとえば、芝浜、文七元結、らくだ、子別れなどなど現役の噺家たちの優れた名演が数々あります。
当方思うに、髪結新三、牡丹燈籠、真景累ヶ淵などの大演目では、圓生師を超える名演はまだまだ出てませんね。圓生百席の中で、一番感動し涙したのは、同じく芝居物の「中村仲蔵」です。これは神がかり的な名演だと思います。なお、先代の円楽師匠は圓生の一番弟子、また現円楽は孫弟子にあたりますが、ごめんなさい。全然物足りないですね。
【雲助師匠雑感】
雲助師匠は、やんま久次、髪結新三のようなチョイ悪的なキャラクターも好んで演じますね。昨年9月に出版された自叙伝も「雲助、悪名一代」というタイトルですね。個人的に師匠の演目で大好きなものは、「がまの油」「花見の仇討」。この2つは雲助ファンになるきっかけになった演目です。がまの油の口上が威勢良く耳に心地よいです。花見の仇討でも大勢の登場人物が生き生きと演じ分けられていて、とても楽しいです。師匠は、子供がでてくる演目でもとても良い味を出しますよね。師匠の「子別れ」「真田小僧」「佐々木政談」なども心底大好きな演目です。
雲助師匠の定例公演には、浅草見番で行われる「雲助 蔵出しぞろぞろ」もあります。こちらは3ヶ月に1回ペースで、蔵出し的な貴重なネタをいろいろと聞くことができます。


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