



2012年02月02日 (木) | 編集 |
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![]() | ![]() NHK交響楽団 1月定期演奏会Aプロ 1/29(日)15:00開演 於:NHKホール 1)ペルト:フラスレス 2)バーバー:ヴァイオリン協奏曲 3)チャイコフスキー:交響曲第6番「悲愴」 指揮:レナード・スラットキン ヴァイオリン:ナージャ・サレルノ・ソネンバーグ NHK交響楽団 | ![]() |
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【簡単な紹介と感想】
ペルトのフラスレス。エストニア人作曲家による1977年の作品。弦とクラベス・大太鼓という編成で演奏される小曲です。ペルトは、当時の現代音楽が向かっていた無調の方向性とは逆に、単純な調性を基礎に音を紡いでいきます。祈りのような敬虔さを感じるような、そして、包み込まれる中に静寂を感じさせるような、至福の音空間を作出していました。えもいわれぬ心地よさを感じさせてくれる佳品だと思います。丹念にひとつひとつの音を丁寧に積み重ねていく端正な演奏でした。
バーバーのヴァイオリン協奏曲。ソネンバーグのヴァイオリンは初めて聴きました。高音の艶やかさ、透明感のある繊細な音色がとても印象的なヴァイオリンです。叙情的・瞑想的な1.2楽章では、ソネンバーグのヴァイオリンの持ち味が大いに生かされていました。そして緊迫感を伴う3楽章を経て、クライマックス。この曲に思い入れが強くあるソネンバークならではの名演だと思いました。姿格好は男っぽい感じですが、緻密で繊細なフレーズ、音色は類例をみないとても新鮮な魅力があふれるヴァイオリン奏者ですね。
チャイコフスキーの6番。ダイナミックスを誇張せず、堅実着実に振るタクトでした。自然な流れの中から歌心がふつふつと沸いてくる演奏でした。引っ張り出すのではなく、自然に熟成されるのを待つとでも言うのでしょうか。指揮者の独特のスタンスですね。終楽章最後のファゴットとチェロ、コントラバスで奏される旋律が、ここまで美しく感じたのは初めてでした。奏者にも気持ちが通い合った秀逸な演奏だったと評しておきます。ファゴットの演奏がとりわけ際立ってました。クラリネットの伊藤さんも聴けば聴くほど関心度が上がってきますね。

★★★★
アンコールでは、ポギーとペスから「ベス、お前は俺のもの」をソネンバーク+vn8,va4,vc4,cb2という編成で演奏してくれました。これまたソネンバークの高音域の美しさが際立った秀演でした。単独でなくオケのメンバーと組んでのアンコールはN響定期では初体験でした。あっぱれ!スラットキンさん!ソネンバーグさん!
以前東フィルの定期でも、ソリストとオケメンバーとのコラボによるアンコールを経験しました。このときはチェロのルイジ・ピオヴァーノとチェロパーツによる「赤とんぼ」。感涙ものでした。(記事はこちら)



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