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それでもボクはやってない
2008年03月24日 (月) | 編集 |
それでもボクはやってない」は、痴漢の冤罪がテーマとなっている作品。周防正行監督は、まるで視聴者を陪審員にみたてているように感じました。というのも、観客に「こう感じさせよう」という主観を押し売りせず、あくまで冷静かつ客観的な視点で描いていたからです。法廷が中心の動きの少ない映画ですが、じわじわと押し寄せてくる緊迫感には圧倒されました。

 キャスティング
 役所広司(弁護士役):日本の正義を象徴するような人物ですよね。改めて感じました。かつてヘンリー・フォンダが「12人の怒れる男たち」でアメリカの正義を象徴していたのとオーバーラップします。正義の味方という意味では市川崑監督の「どら平太」なども典型的ですよね。
 瀬戸朝香(弁護士役):発声がはっきりしていて歯切れがよく、正論を口にするとき見る者も心地よいですね。その辺の効果を周防監督は狙ったのでしょうか。
 加瀬亮(被告人役):今どきの好青年という役どころ。「硫黄島の砂」以来大いに注目を浴びている若手俳優。キャラクター的にこの作品だけではまだ言及しかねます。
 裁判官役には、小日向文世正名僕蔵。どちらも堂に入った演技でした。正名の方が被告人に非常に好意的であったのに対し、小日向ははなから有罪と決めてかかっているようなやや傲慢な態度がちらつき、好対照でした。正名は「未来講師めぐる」での塾講師役で、生真面目で凝り性の不思議キャラを演じていましたが、本作ではそれとは全然キャラが違いました。なかなかの演技力とお見受けします。小日向は被告人に対し冷笑を浮かべつつ対応するようなシニカルな裁判官役、この人も芸の幅が非常に広いですね。
 尾美としのり(検事役):近年の演技力には脱帽しています。13歳のときに市川崑監督「火の鳥」の子役でデビューし、青年期には大林宣彦作品の常連(「転校生」「翔んだカップル」「時をかける少女」)であったが、その後あまりぱっとしない気がしていました(ごめんなさい)。ところが、近年宮藤官九郎の「マンハッタンラブストーリー」「タイガー&ドラゴン」で大きく脱皮した気がします。コミカルな役柄でも最高と唸らせられました。「オトコの子育て」でもクレームパパを不気味に演じてましたね。とにかくすごい存在感。本作での検事役も、もう勘弁してというくらい被告人をこき下ろします。逆にそれが快感にもつながってしまうくらい(^^ゞ どんどん出演してほしい役者さん!
 田口浩正(証人役):どことなく気持ち悪いキャラクターでTVドラマの脇役に使われ始め、今ではTVドラマになくてはならない存在。「王様のレストラン」「みにくいアヒルの子」「アルジャーノンに花束を」など名作の脇を固め、どんな役でもしっかり演じきっています。最近の「未来講師めぐる」では、ユーキ43の不気味なキャラ以外に、二役で刑事役も巧みに演じ分けていました。ただ素で演じているだけではないのだなと強く印象付けられました。
 本田博太郎(同房の詐欺師):この人のいやらしいことといったら(爆)。他の人にはできないキャラですよね。名バイプレーヤーとして、ドラマ・映画には絶対に欠かせない人物。必殺シリーズあたりから、近年でも「エラいところに嫁いでしまった」「モップガール」「セーラ服と機関銃(長澤まさみ版)」と濃いキャラならこの人にお任せ!まるで視聴者をなめているような毒々しさは、個人的に大好きです。
 光石研(被告人支援者):この人いつもすごくさわやかなんですよね。最近「1ポンドの福音」でも好人物を演じていました。とげのあるような役もみてみたい気がするのは当方だけ?(・o・)
 山本耕史(被告人の友人):「ひとつ屋根の下」での役が大看板となっていて、その後の役もあまり大きくそれる役がないようです。安定した演技力でしっかりと脇を固めています。
 清水美砂(被告人支援者):大好きな女優さんです。ただこの役ではちょっとさびしいです。もっと出番と演技が求められる役での起用をぜひぜひお願いしたいです。
 
 高橋長英(被告人支援者):この人のことを何としても書きたいので、ここまで長々書いてきました。
 高橋長英を最初に知ったのは「白い巨塔(田宮二郎版)」でした。田宮二郎の高慢で不遜な財前医師と山本學演じる典型的な善人である里見医師の火花を散らすような名演には当初から強くひきつけられていましたが、それに勝るとも劣らなかったのが高橋長英演じる柳原医局員でした。財前医師の医療過誤についての証人として揺れ動く気持ちを本当に見事に演じていました。大げさではなく本当にドラマ史上に残る名演だったのではないでしょうか。最近の「白い巨塔(唐沢寿明版)」では、伊藤英明が演じた役ですね。
 次にこの人がホントすごいな!と思ったのは、フジテレビ系列での「新選組始末記」(1977年 平幹二朗:近藤勇、古谷一行:土方歳三)。山南敬介(やまなみ・けいすけ/高橋長英)は、文武両道に秀で、新選組の皆から慕われる人格者であったが、あるとき新選組から脱走する。ご承知の通り新選組局中法度によれば「脱走する者は切腹」と厳罰の対象であった。山南を追った永倉新八(夏八木勲)、沖田総司(草刈正雄)らは近江で山南を発見する。永倉・沖田は山南の人柄を慕っていたため、必死に逃がそうとするが、山南はあえて切腹を望む。そして土方歳三が涙する前で見事に腹を切る。ここでも山南の微妙に揺れ動く心理描写は絶品でしたし、死を受け入れるに至ったときの澄み切った境地は言葉にできないほど素晴らしかった!山南が脱走に至った経緯は諸説あるそうですが、ドラマでは遊女明里(あけさと)と結ばれるために脱走するという筋書きになっていました。最後の別れを格子越しにする山南と明里、晴れ晴れとした表情の山南とは対照的に涙がとめどなくこぼれおちる明里。いつまでも記憶に留めておきたいドラマです。
 その後は伊丹十三監督作品での常連として「タンポポ」「マルサの女」「マルサの女2」「大病人」「スーパーの女」「マルタイの女」などで水を得た魚のような名脇役として活躍。特に当方が記憶に残っているのは、「スーパーの女」での頑固で偏屈だが正直者の鮮魚屋の役。スーパーを立て直そうとする敏腕副店長と最初は対立、最後は和解という複雑な心理の変化をうまく演じていました。一方で悪徳肉屋を演じていたのが六平直政。これも記憶に残る名演技でした。
 伊丹監督没後、なかなか良い役での登場という場面がなかったので、本作「それでもボクはやってない」での出演に気づき大喜びしました。「Shall We Dance?」以来10年ぶりという周防監督の満を持しての作品で起用されただけでも名誉なことです。でもわがままを言えば、まあこの人なら、このくらいの演技朝飯前だろうという程度の役でした。もっともっと難役を!周防監督はじめ映画界の重鎮にお願いします。「半落ち」の寺尾聰の名演技も絶品でしたが、「高橋長英が演ってればまだまだもっと上を行くはず」と思う当方は、「ひいきの引き倒し」でしょうか?ファンクラブとかないの?(汗だく2)
 高橋長英の写真・プロフィールはこちら
 白い巨塔でも当方のような印象を持った方がいたことに感激!⇒こちらのHP

 「なげーよ」「脱線しすぎだよ」という非難の空耳を受けつつ、ようやく書き終わりました(汗だくだく、ねぎ抜きで!)

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テーマ:それでもボクはやってない
ジャンル:映画
コメント
この記事へのコメント
もうやださん・・凄いですね。(笑)
まずは忘れないうちにぽちぽちっとしておきました。\(⌒▽⌒)/
楽しく読ませてもらいました。
色々解説が入っていて、「この俳優さん、忘れていたけどこれにも出ていたなぁ・・」とか、色々な事が思い出されました。
やっぱり最後に思った事は、みんな演技が上手いという事です。
やはりみなさん天才ですね!!

「それでもぼくはやってない」は罪の無い人が苦しむなんて、許されてはいけないと思います。
裁判官の裏側の事情など・・普通に生活していたら分からない事が見える映画だったと思いました。
2008/03/26(Wed) 01:00 | URL  | レイコ #XQniAfnc[ 編集]
ありがとうございます
独りよがりな感想の羅列にお付き合いいただき、本当にどうもありがとうございます。それにしてもこの映画の出演者の皆さんの演技力はすごかったですね(^_^)/

明日は我が身と少し寒気がしてしまうような映画でした(^^ゞ裁判の裏事情などもよくわかりましたし、「え~っ」みたいな理不尽なことが次々と起こってしまうところが、本当に怖かったです。
2008/03/26(Wed) 02:35 | URL  | もうやだ #-[ 編集]
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